けだものに星は見えない2020年7月31日ぺしゃんこの身体を辿り合う 星の無い夜の底に潰されてどこへでも、と伸べた肢体をさ迷って膝食む牙は痕もつけずに骨と肉ただそれだけと伏せられた一等先に消え失せる青初めて俺を見たように(綺麗だなんて)今はただお前の声を湛えた器
青醒める街2020年6月2日十二月の朝を吐き出す室外機群れて見送るお前が帰る交差点でお前を見る夢だった 赤く青く立つ焔だった西側で誰か泣きたくなったから雨になるよと持たされた傘街が呑む幾万のうちのふたりだと言った季節だ、ねえ此処へ来て(群青日和オマージュ四首)
金星2020年4月8日俺がすることはお前もしていいと請われてピアスの幽霊を噛む 甘いらしいお前の舌と喉の毒を俺のに全部注いでくれ 誰もがこうして耐えているのか ひとりであること ふたりでいること 黙ったまま笑うお前は金星と俺のかたちの棺桶に似て