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生まれ直しなどない呼吸を失くしてもあなたはずっと生きていて今も


苦しいに決まっていると泡を吐く 肺の在処を教えた口が


街灯に浮き沈む背に追いついて腕を引く 見上げる窓は青


遮断機は遠く夜を刻んでいる 零時を過ぎたら口づけていい



耳を付けあばらの洞の音を聞く 未明、ここにも海があったと


その額は滑らかにありちょうど顎に当たるのでお前が笑う


たぶん夜の間中祈ってるので起きたら笑い飛ばしてくれ


誰も知らない声で呼ぶから俺は今いっとう新しい生き物になる




新陳代謝の果て他人になる恐れを目分量で計る


迷信を口に出すような誠実、君が未来を恐れるときの


小さな死のたび君が減るのなら今朝のコーヒーはミルクを多く


さみしいを瓶に詰めておく さみしいというラベルをお前がつける

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