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短針に合わせて上る階段で20時に眠るゴジラを妬む


屋上と空缶の中の煙草と俺に月が遠くて海も遠くて


踊るため待っていたんでしょう手を取れば帰るためだと灰を払った


塵は塵に灰は海に還るという 僕らの最後の駅の名を読む



ぺしゃんこの身体を辿り合う 星の無い夜の底に潰されて


どこへでも、と伸べた肢体をさ迷って膝食む牙は痕もつけずに


骨と肉ただそれだけと伏せられた一等先に消え失せる青


初めて俺を見たように(綺麗だなんて)今はただお前の声を湛えた器




十二月の朝を吐き出す室外機群れて見送るお前が帰る


交差点でお前を見る夢だった 赤く青く立つ焔だった


西側で誰か泣きたくなったから雨になるよと持たされた傘


街が呑む幾万のうちのふたりだと言った季節だ、ねえ此処へ来て



(群青日和オマージュ四首)

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